[2013.11.25]丹後ちりめんでおしゃれを楽しむ

京都ちーびず女子のたのしいはなし その1

                                            丹後ちりめんでおしゃれを楽しむ

日 時:平成25年11月25日(月)14:00~16:00
於 :京都ものがたり談笑庵 Antenna Cafe
語り手:鳥原 妙子さん

                対談 ~鳥原 妙子 × 阜東 丹桜~

IMG_1660鳥原 妙子さん
長年京都市内でちりめんの洋服のパタンナーとして活躍後、3年前にちりめんの生地のオリジナルデザイン服を扱うお店をオープン。扱いやすく高級感のあるちりめんの魅力をたくさんの人に伝えたい、そんな思いを持って日々活動している。

阜東 丹桜
中国出身。大学卒業後、日本の企業に就職。育児と仕事との両立の難しさを自ら体験し、女性の働き方を改善したいと強く思うようになる。現在は特定非営利活動法人京都女性起業家協議会の理事として、日々働く女性の活動支援に注力している。

阜東 まず私と鳥原さんの関係からお話しさせて頂きますね。私と鳥原さんは去年「京都府女性の船」で出会いました。京都府女性の船というのは、女性が地域や社会、家庭などの身近な課題について共に学び、仲間作りをする為の研修旅行です。舞鶴港から北海道まで船でいくのですが、各グループに分かれて研修を行います。その時、鳥原さんと私は同じグループでした。
鳥原さんと初めてお会いしたとき、「他の人の服装と一味違って、すごく個性的でおしゃれだなぁ」といった印象を受けました。そのときに、そのお洋服がちりめんのお洋服だと聞いてすごく興味を持ちました。
それで、今回ちーびずのイベントを開催するとなったときに、「鳥原さんに丹後ちりめんの魅力を語ってもらおう」と思い、今回お願いしました。
では鳥原さん、自己紹介をお願い致します。

鳥原 本日はどうぞよろしくお願いいたします。若いときは大阪でパタンナーとして働いておりましたが、40歳くらいの時に京都で働くことになりました。入ったところがたまたまちりめんのお洋服を作っている会社でした。それからですかね、30年近くちりめんばかり扱っている事になります。だんだんちりめんが大好きになってきて、自分でもジャケットなんかを作って会社にも着ていくようになりました。家で洗濯も出来るので、帰りが遅くなってクリーニングに持って行けなくても安心でした。お手入れがしやすいという事が嬉しくて、それからちりめんの服ばかりを作るようになりました。
ちりめんって本当にいいんです。これから徐々にその魅力ついてはお話させて頂きたいと思います。

阜東 ありがとうございます。大阪に居るときからちりめんの会社にいたのですか?

鳥原 いえ、大阪で働いていた頃はまだ若かったのでちりめんの知識もありませんでした。シルクとか綿とかでお洋服を作っていました。当時は高槻に住んでいたのですが、結婚・出産をきっかけに、京都で新しい就職先を探し始めました。そして決まった所がちりめん屋さんだったという事です。

阜東 そのちりめんのお店で定年退職までお仕事されていたのですか?

鳥原 いえ。会社は3回くらい変わったのですが、ずっとちりめん関係の職場でした。定年になったらゆっくりしようと思っていたけど、いざ定年退職してしまったら毎日退屈で何をしたらいいのか分からないんですね。若い時からずっと働いてきたので、「なんかしなくちゃ」と思ってはいたんですが、ちりめんしか扱ったことがなかったので、他に何をしたらいいか分からない。「でも、するんだったらちりめんの服しかないな」と思ったし、「もっと多くの人に丹後ちりめんを知ってもらいたい」という思いもあり、お店をオープンしました。

阜東 ちりめんに対する強い思いを感じますね。定年退職をしても、丹後ちりめんで何かビジネスをしようと思ったわけですね。
鳥原さんのお店にこの間お邪魔させて頂いたのですが、すごくかわいらしいお店ですよね。

鳥原 ありがとうございます。

阜東 すごく古い商店街の中にありますよね。反対側にはイオンがありますが、イオンの方にお客さんが流れて行ったりしませんか?

鳥原 イオンのお客さんはニューファミリーというのですか?若い人たちが多いんですね。お店を回っても私達が着るような服ってないのですよ。私がお店を出した商店街は結構古くて、もう30年以上の歴史があるみたいです。この商店街は自宅からもそんなに遠くなかったし、たまたま一軒だけ空き物件があったので、そこでお店をする事に決めました。
結構ご年配の方もお洋服を見ていってくれますよ。

阜東 そうですか。鳥原さんのお洋服が素敵だからですね。鳥原さんが思うちりめんの魅力とは何ですか?

鳥原 そうですね。機能的な面で言えば、シワにならない事、お洗濯が出来ること。大きなコートでも洗濯ネットに入れればそのままお洗濯が出来ます。色褪せもないですし。
ひとつの素材で遊び着から普段着まで、色んなシーンで使えます。そして本当に着易いんです。ちりめんは経糸に撚りのない生糸、緯糸に3000回程度の撚りをかけた生糸を交互に織り込んで生地にし、その後、精練することによって糸が収縮し、緯糸の撚りが戻り、生地全面に細かいシボが出来るんです。そのシボがストレッチになってすごく着易い生地になります。こんな仕事をしていましたので、家には本当にたくさんの服がありました。そこで一度整理をしたことがあるのですが、見事にちりめんの服だけが残りました。それだけちりめんって長く着られるんです。だからやっぱりちりめんの魅力って、長く着られるというところですね。

阜東 ちりめんの生地はストレッチが効いているというお話が出たのですが、その強度はどうでしょうか?

鳥原 最近のストレッチ素材といわれている生地はゴムが入っているんです。だからそのゴムが劣化したらストレッチの機能が失われます。でもちりめんは先ほど申しました通り、シボがストレッチとなっていますので伸びきるということはなく、洗えば元に戻ります。
400年くらいですか、そのくらい前からこの技術が出来ていたわけですから本当に日本の技術はすごいですよね。

阜東 本当ですね。日本の技術は世界に誇れるものですよ。

鳥原 そうですね。400年前は絹でやっていたんでしょうけど、今は着物が売れない時代ですから、それだったらポリエステルのちりめんの生地でお洋服を作ろうと思いました。

阜東 丹後ちりめんでビジネスをされていますが、メイドイン京都、メイドインジャパン、といったものを発信したいという気持ちもあったのですか?着物の産業が低迷していますが、それをなんとかしたいという気持ちもあったのですか?

鳥原 そうですね。着物って最近は着る人も少なくなってきて売れなくなってきましたね。
私も今では着ることが少なくなりました。そうなってくると「やっぱりお洋服かな?」と思ったんです。そういった意味では丹後地方でもお洋服用の生地を開発した事はすごく良かったのではないでしょうか。

阜東 ありがとうございました。お店は病院の前にありますよね?病院から出てくる方で、鳥原さんのような服を着ている方を数名みかけました。これって鳥原さんのところで買ったのかなぁなんて思っていたのですが。

鳥原 はい。ちょうど大きな病院が近くにあるんです。病院の帰りに見に来られる方もいらっしゃいますよ。ちょっと病気をしていても、お洒落はしたいなと思いますものね。でも体もしんどいから、やっぱり着易くてお手入れのしやすいものを選んでしまうんですよね。この条件でお洋服を探すと、お洒落なものってやっぱり少ないなって思うんです。でもちりめんは、着易いしお手入れも簡単で、且つお洒落です。こういった事もあって病院の帰りに少し寄ってくださる方もいらっしゃいます。病気の人に少しでも楽しんでもらえるようなお洋服を作っていこうかなって思っています。

阜東 今回のイベントは、京都地域力ビジネスの「ちーびず女子のイチオシカフェ」という事業なのですが、鳥原さんのイチオシはなんですか。

鳥原 それはもちろん、ちりめんですよ。京都ブランドの丹後ちりめんを皆さんにもっと知ってもらいたいです。

阜東 私も以前与謝野町に見学にいった事があるのですけど、昔はちりめんの産業ですごく栄えていたと教えて頂いたのですが、今は閉まっているお店が多くて、すごくもったいないなと思いました。

鳥原 そうなんです。ちりめんだけじゃなく、生地屋さんも染め屋さんも厳しいですよね。売れないと、作れないですものね。だから着物でもお洋服でも、ちりめんのものが売れるという事はやっぱり重要です。

阜東 そうですね。丹後ちりめんの知名度がちょっと低いのも問題なのかなと思うのですが、どう思われますか?もっと宣伝をして、色々な人に丹後ちりめんを知ってもらうことも重要だと思うのですが、どうでしょうか?

鳥原さん そうですね。一応丹後ちりめんは全国的に展開をしているので、知っている人は知っているといった感じなのでしょうか。まあ、ちりめんの着物はもちろんですけど、お洋服も高かったんですよね。だからもっとみんなが買いやすいような価格にするのも大切ですよね。

阜東 今後、丹後ちりめんのビジネスをどういった風に展開していきたいと思っていらっしゃいますか?

鳥原さん これから高齢化がどんどん進んでいきますよね。でも女性って年をとってもお洒落をしたいと思うものです。ですからそんな方に向けて、おしゃれだけど、着易くて楽なお洋服を作り続けていきたいと思います。
お洋服作りを通じて、お年寄りの方が笑顔で元気な毎日を送れるような社会を作って行きたいです。

阜東 本当に素晴らしいですね。鳥原さんのように、病気の方やお年寄りの方がお洒落をして、元気になってくれるようにと頑張っている方がいらっしゃいますので、皆さん是非応援して頂きたいと思います。

 フリータイム

 IMG_1663対談終了後のフリータイムでは、鳥原さんのお洋服を自由に見たり、試着したりしました。「個性的な形」「すごくきれいな色」「この色も似合うかも!!」色々な意見が飛び交う中で、丹後ちりめんの魅力を直接感じてもらう時間でした。皆さんが日ごろ感じているコーディネートのお悩みにも、鳥原さんに解説頂けた貴重なお時間となりました。色々な人に、直接に手にとってもらい、着てみてもらうことでもっともっと丹後ちりめんの魅力は伝わっていくのかもしれません。私達はこれからも、鳥原さんの活動を応援していきたいと思います。

 

記事・写真:平成25年度 京都式ソーシャルビジネスリーダー育成事業 研修生 杉本智子

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