[2013.10.26]第25回KYOあけぼのフェスティバル2013

第25回
KYOあけぼのフェスティバル2013

日時:平成25年10月26日(土)10:00~15:00
会場:京都テルサ

オープニング

同志社グリークラブによる合唱
<合唱曲>
・Dosisha Colledge Song
・空も飛べるはず
・斎太郎節

 式典

【開会の挨拶】山田啓二知事
IMG_9844本日は「第25回KYO あけぼのフェスティバル2013」に、府内各地から多くの皆様にご参加を頂き、ご来賓の皆様におかれましては、ご多忙のところご臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

私は最近よくこの話をするのですが、昭和30年、ちょうど団塊の世代が生まれた時代は0歳~14歳の人口は約2300万人でした。現在日本の0歳~14歳の人口は約1600万人。この数字は明治40年と同じくらいです。ただ明治40年では65歳以上の人口が260万人でした。これは現在の京都府の人口と同じくらいですね。では現在、65歳以上の人口はどのくらいかというと、2900万人です。ですから、我々は「このような時代に向かってどうやって歩みを進めていけば良いのだろうか」という事を考えていかなければなりません。65歳以上の人口は30年後には3800万人になると言われております。それに対して0歳~14歳の人口は1300万人。この事態をどうやって持続可能な日本に戻していくか。それがなければ私たちの社会というのは、大変厳しい現実になります。このような中では、やはり女性の力というのが今まで以上に期待されていく事になるでしょう。

男女共同参画社会、女性の地位向上という形で25年間あけぼの賞は取り組んで参りましたが、まさにそれを現実のものにしなければ、この国自身の未来がないというところにまで、実は来ているのだろうと感じます。こういった危機感をもって私たちは臨まなければならないと思っております。そうした点から申し上げましても、この25回という記念すべきKYOあけぼのフェスティバルを迎えて、さらに私たちは、女性だけでなく男性もこの現状を見直して「これからの社会はいかにあるべきか」、「元気で未来のある次の世代をしっかりと残していく為にはどうしたらいいのか」を考えていく場にしていく事が大変重要ではないかなと思っておるところであります。京都府あけぼの実行委員会を中心に、女性の皆さんが社会というものにしっかりと歩みを進めていきたいと、このあけぼのフェスティバルもそうした中でまた更に盛り上がりを見せていく様にしていかなければと思います。

結びにあたりまして、どうか女性の皆さんにおかれましては、「未来を作り上げていく」そういった責任の下に、これからも京都の地域社会の為にご貢献頂きます事をお願い申し上げると共に、今日ご参加の皆様方のご健勝とご多幸を祈念致しまして、私のご挨拶とさせて頂きます。本当におめでとうございました。

【実行委員長挨拶】田中田鶴子さん
本日は第25回KYOあけぼのフェスティバル2013を開催致しました所、ご来賓の皆様方を始め多くの方々にお集まりを頂まして誠にありがとうございます。この度の台風18号は府内各地に大きな被害をもたらしました。被害に遭われました地域の皆様には心からお見舞いを申し上げます。そして本日栄えある京都府あけぼの賞を受賞されます皆様方、心からお祝いを申し上げます。今年度も各分野で先駆的に活躍され輝いておられる女性が表彰されます。第一線でご活躍されている皆様であり、今後一層のご活躍が期待されます。改めまして心から受賞をお喜び申し上げます。

さて今年度も、素敵なフェスティバルとなるように実行委員会の皆様と企画・検討を重ね、本日の開催を迎えることとなりました。先ほどのオープニングは同志社グリークラブの皆様に若さあふれる素晴らしい歌声を披露して頂きました。この後も式典は「誰もが活躍出来る社会を目指して」料理研究家の杉本節子さん、元京都府副知事で現在内閣府男女共同参画局長の佐村智子さん、山田啓二京都府知事のお三方による鼎談が行われます。また館内の各会場では、地域で実践活動を行っております様々な団体のご参加により、ワーク・ライフ・バランス、ドメスティックバイオレンス、男女共同参画による地域づくりなどをテーマにした多様なワークショップやバザールにお取り組みを頂いております。皆様どうぞお時間の許す限りご参加頂きたく思います。

一人ひとりが職場や家庭、地域の活動に参画し、関われることが出来る男女共同参画社会の実現に向けて、本フェスティバルが、皆様の新しい一歩を踏み出される契機となりましたら大変うれしく思います。

最後になりましたが、今年度も多くの企業、団体の方々にご協賛を頂き、このフェスティバルがこのように盛大に開催できました事に、心から御礼を申し上げまして、私の挨拶と致します。

【祝辞】京都府議会議長 多賀久雄さん
皆さん、おはようございます。ただいまご紹介頂きました、京都府議会議長 多賀久雄でございます。実は皆様方は府内各地からお出ででございますので、この中にも台風18号によって被災された方がいらっしゃるかも知れませんが、台風18号は京都府内各地で猛威を奮いました。幸い死者は出ませんでしたが、被災された皆様に心からお見舞い申し上げますと共に、京都府は一丸となってこの台風18号の復旧・復興に向けて取り組むことをまずお約束しておきたいなと思います。

本日は先ほどご紹介して頂いた様に、大勢の来賓がこの席に参加をさせて頂いておりますが、私のほう方から祝辞を申し上げさせて頂きます。

祝辞、第25回KYOあけぼのフェスティバル2013がこのように盛大に開催されましたことを、心からお喜び申し上げます。本日栄えある京都府あけぼの賞を受賞されます皆様、まことにおめでとうございます。皆様それぞれの分野において誠にすばらしいご活躍をされ、顕著な成績をあげられた方々であり、これまでの努力に対して深甚なる敬意を表する次第でございます。また今年で25回目を迎えます本フェスティバルが、このように府内各地様々な分野からの参画を得て実行されますのも、田中実行委員長をはじめとする、関係の皆様方のご尽力の賜物であり、心から感謝と敬意の意を表する次第であります。

さて、女性の社会参画は着実に前進し、様々な分野においてご活躍を頂いておりますが、一方では子育てや労働条件の問題などで、働きたくても働くことが出来ない女性がたくさんおられます。また、女性の役職登用が進んでいないなど、まだまだ多くの解決すべき課題を抱えております。これから我が国が、世界の中であらゆる分野において着実な成長・発展を図っていくためにも、女性の活躍はなくてはならないものであり、その環境をしっかりと整える事が大変重要であると存じております。本日ご参加の皆様は、それぞれの分野でご自身の力を遺憾なく発揮され、地域においてもすばらしい活躍をされている方々であります。どうぞ皆様には、今後ともその大きな力を存分に発揮して頂き、地域はもとより、京都府、そして日本を元気にする為にご奮闘頂くと共に、女性の社会進出を一層促進する原動力として、ますますご活躍されますことを心からご期待申し上げる次第であります。

京都府議会は個人の能力が十分に発揮できる社会はもちろんのこと、その個性を活かしながら地域の力を再生し心豊かで活力ある地域社会を実現する為に引き続き全力で取り組みを行っていく所存であります。

結びにあたり、本フェスティバルのご成功と御臨席の皆様のご健勝、ご多幸を心より祈念申し上げまして、私のお祝いの言葉と致します。本日は誠におめでとうございます。

表彰式

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【京都府あけぼの賞】
男女共同参画による豊かな地域社会の創造に向けて、女性の一層の能力発揮を図るため、各分野で功績の著しい女性を顕彰するものです。平成25年度の受賞者は以下の方々です。

今井幸代さん 郷土料理研究家

京都府出身。料理と食文化に関する著書やテレビ等の料理教室による幅広い世代への指導を通じて、京都の食文化の全国への発信と普及に努めている。こうした活動は海外でも高く評価され、2008年にアメリカの食専門雑誌「SAVEUR」の「世界の食100選」におばんざいの復興に貢献した女性として、日本で唯一選ばれた。2012年には京都府から「きょうと食いく先生」に認定され、小・中学校への出前授業で次代を担う子供たちに京の料理と食文化を伝えている。

木﨑良子さん ダイハツ陸上競技部選手

与謝野町出身。京都府立宮津高校で本格的に陸上を始め、中距離選手として活躍。大学在学中は体調不良や故障に悩まされたが、幾多の試練を乗り越えて、第24回ユニバーシアード大会の10000mで見事、銀メダルを獲得した。大学卒業後はダイハツに入社し、全日本実業団陸上競技選手権大会の10000mで優勝するなど実績を積み、三度目の挑戦となった2011年の横浜国際女子マラソンでは、自己ベスト記録で初優勝を飾り、2012年、ロンドンオリンピックに出場した。2013年、世界選手権マラソンに出場した際には、持ち前の粘り強さを発揮し4位入賞に輝いた。

玉井菜採さん ヴァイオリニスト 東京藝術大学准教授

京都市出身。京都市交響楽団のヴァイオリニストを両親に持ち、4歳からヴァイオリンを始めた。大学在学中にプラハの春国際音楽コンクールで1位を獲得。その後、数々のコンクールで入賞し、国内外の多数のオーケストラと共演するなど、着実にキャリアを重ねていった。京都では毎年演奏会を開き「古典の日」のイメージキャラクターも務めた。2002年から東京藝術大学准教授となり、ヴァイオリニストと教員の多忙な日々を送る。現在は子育ての両立も課題。「家族は精神的な支え。限られた時間を有効に使うようにして、親も育ててもらうつもりで子育てを楽しみたい。」としっかり地に足をつけて語る玉井さんは、いつまでも素晴らしい演奏を聞かせてくれることだろう。

福士加代子さん ワコール女子陸上競技部選手

仲のいい友人に誘われて高校一年生のときに陸上部に入部したのが、陸上人生のスタート。厳しい練習を重ねる日々だったが、「陸上競技を通じて多くの人たちとの巡り合い、自分の人生を変えるきっかけとなった」と語る。2000年にワコールに入社し、女子陸上競技部に所属。青森県出身の福士選手だが、「京都は、自分自身を陸上選手として育ててもらった故郷です。」と語るように、入社後すぐに頭角を現し、名門チームの一員として活躍。2013年の世界選手権女子マラソンでは、残暑厳しい条件の中、粘り強い走りを見せ、3位に輝いた。現在はチームリーダーとして12月に開催される全日本実業団対抗女子駅伝に向けて調整を進める。

藤野可織さん 小説家

京都市出身。幼いころから小説家になる夢を持っていた。一時は企業への就職も考えたが、大学院終了後に、幼い頃の夢を思い起こし、小説家を目指す事を決意。出版社でアルバイトをする傍ら、作品を書き続け、2006年、鳥に変身した男をめぐる惨劇を描いた「いやしい鳥」で文學新人賞に輝いた。2013年、父親の恋人の行動と心情を三歳の娘の視点で綴った二人称小説「爪と目」で、第149回芥川賞を受賞した。藤野さんは「京都から出たことがないので、特に京都を意識する事はない。東京なら多くの作家と交流できる良さはあるが、自分のスペースで執筆するのが自分には合っている。これからも自分らしい作品を書いていきたい。」と語る。今後の作品にも、期待が寄せられる。

細井恵美子さん 社会福祉法人 顧問

与謝野町(旧加悦町)出身。舞鶴国立看護学校卒業後、いくつかの病院で勤務され、昭和43年に京都南病院の総婦長に抜擢された。当時、帰る家がない、いわゆる「社会的入院」が多いことが問題となっていた。「在宅で看護が受けられれば、住み慣れた家や地域でその人らしく安心して暮らせる。」という思いから、院内に在宅療養部を新設した。当時はボランティアのような訪問看護に人手を割くことに批判もあったが、「病院の利益より患者さんの目線で見て下さい」と主張し続けた。その後、木津川市の「山城ぬくもりの里」の開設に携わったほか、老人保健施設や特別介護老人ホームの施設長として地域福祉などに取り組んできた。その他にも、府内各地で講演等を通じて、後進の育成にも努めてきた。「若い人たちにとって、看護や介護が魅力的な職業となるようにしていかなければならない。」と今後もさらに活動を進めていく意欲を持っている。

特定非営利活動法人 亀岡子育てネットワーク 子育て支援活動

亀岡子育てネットワークの発足は1989年9月。きっかけは市の啓発イベントの子育てに関するワークショップで、亀岡でも子育てのネットワークが必要だと団体を結成。当初の活動は、子育てサロンの開催や、子育てに関する情報誌の発行、講座の企画など。やがて市の枠を超えて、府域または全国の子育て団体や行政などとネットワークが出来たことにより、視野が広がった。2009年にはNPO法人を設立した。現在では、子育て情報配信サービス「あったかめ~る」を始め、子育て広場の運営や一時保育事業、地域の魅力や子育て情報を掲載した情報誌の発行をしており、その活動は多岐にわたる。「子育て家庭の孤立や負担を少しでもなくしたい」という発足当時から変わらない想いは、今も常に当事者目線に立つその活動に現れている。

【平成25年度 京都府あけぼの賞25回記念特別賞
京都府あけぼの賞特別賞は、平成元年に創設された京都府あけぼの賞が、平成25年度に25周年を迎える事を記念して、男女共同参画の推進その他の分野において、長年にわたる活動や業績等で顕著な功績が認められる方を顕賞するものです。

上杉孝實さん 京都大学名誉教授 元京都府男女共同参画審議会会長

宮津市出身。大学院を修了後に勤務した大阪府立婦人会館では、社会教育を担当して女性向けの相談や講座を企画。その後大学教員となり、研究を進める中で、女性問題について大学内外の研究者、活動家等から大きな刺激を受けた。京阪神を中心に自治体の男女共同参画施策にも携わり、京都府においては、昭和62年から京都府婦人問題検討会議委員や京都府女性政策推進専門家会議委員、また、平成16年から平成24年まで京都府男女共同参画審議会の会長を務め、京都府男女共同参画推進条例の制定や京都府男女共同参画計画「KYOあけぼのプラン」の策定に携わった。平成元年からは京都府あけぼの賞の選考委員も勤め、様々な分野で活躍する女性の顕彰に大きく貢献した。平成24年には長らく男女共同参画の推進に携わってこられた功績により、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰も受賞されている。
今後も、男女共同参画社会の実現に向けて、上杉さんへの期待は大きい。

田中田鶴子さん 学校法人大和学園名誉学園長

長岡京市出身。学校法人大和学園の理事長となる夫と結婚。夫の急逝により、1982年から同法人の理事長として経営の前面に立つことになる。アメリカの大学との提携や、ホテルや旅行業の専門学校を開設するなど、斬新な発想と時流に即した経営方法で2010年に理事長を退任するまでの間、職業教育と生涯学習の為の学園の発展に努めた。他にも、1996年からは京都市の教育委員を務め、翌年には政令指定都市で初の女性の教育委員長に就任。また、1999年には、京都府体育協会の副会長に就任。全国女子駅伝京都府チーム後援会の会長を務めるなど、京都のスポーツ界の世話役として活躍した。2006年には商工会議所では初となる女性の副会頭に抜擢される。2010年からは「KYOあけぼのフェスティバル」実行委員長を務め、学生や男性をターゲットにした企画などをフェスティバルに取り入れるなど男女共同参画の推進に取り組んでいる。
女性のロールモデルとして活躍する田中さんの姿は、多くの人の共感を得て活動範囲は更なる広がりを見せている。

クルム伊達公子さん プロテニス選手

京都市出身。テニスを始めたのは6歳。無我夢中で練習に明け暮れた。高校2年生の時には、すでにプロ選手になる決心をした。高校卒業後の1989年にプロに転向し、国内外の試合で数多くのタイトルを獲得。テニスの4大大会のシングルスで、準決勝進出・ベスト8入りした日本女子選手最多記録保持者であり、すべての4大大会でベスト8入りした最初の日本人女性である。26歳で一度引退したが、2008年、37歳のときに現役復帰を表明。「若い選手に刺激を与えたかった」と復帰の理由を語るが、それと同時に「ブランクに対する不安もありました」と語る。しかし、その不安も練習を重ねることで克服されていき、2013年のウィンブルドン選手権のシングルスで、3回戦に進出する快挙を達成した。惜しくもベスト16入りは果たせなかったが、その姿は、挑戦に年齢の限界がないことを証明した。ブランクを経て再びチャレンジをしようとする女性のみならず、これからも多くの人々に元気と勇気を与えてくれることだろう

鼎談「誰もが活躍できる社会を目指して」

料理研究家で杉本家を保存されている杉本節子さん、内閣府男女共同参画局長の佐村知子さん、京都府の山田啓二知事が自らの体験を振り返り「誰もが活躍できる社会」をどのように作っていくべきかをお話されました。

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山田知事 我が国の第一線でご活躍している女性二人をお招きして、色々とお話をお伺いしようと思うのですが、私は今日は聞き役に徹しようかなと思っております。お二人は、「女性だったらどうだろう・・・」と思えるようなところから、自分の道を切り開いて来られた方々ですね。佐村さんは郵政局の事務方の上級職、いわゆるキャリアといわれるポジション。これの第一号です。当時、ロールモデルがいない中で、自らそれを作り上げた方です。また京都府で初めての女性副知事を経験されるなど、女性の活躍の場を広げてくれた存在でもあります。杉本さんの方は大変な歴史のある杉本家のお嬢様なのですが、普通だったら家と共に人生を歩まれると思いますが、その家を土台として、自分の道を切り開いたお方であります。京の食、ご自宅の食というのを踏まえた形で飛び立たれて、いまやテレビ番組でもご活躍され、第21回の京都府あけぼの賞も受賞されております。

ただお二人とも、ここまで来るまでに大変なご苦労をされてきたと思います。まずはそういった経験をお話頂きたいと思います。

佐村さん 本日はどうぞ宜しくお願い致します。今日は台風の影響で来られるかどうか心配で、朝4時ぐらいから起きていました。「まあ、もし来られなくなっても鼎談が対談になるだけかぁ」なんて暢気な事を思っていたわけですが、新幹線が5分遅れ程度で済んだので良かったです。
25回目のあけぼのフェスティバルというこいとで、ちょうど節目の年、本当におめでとうございます。私たち男女共同参画局が出来たのは平成13年。丁度、省庁が再編される時でした。そんな中で、普通お取り潰しになるのが、そうはならずに新しく出来たという事は、やはり女性を後押ししようという意識が高まっていたからだと思います。私たちの基本法というのが平成11年に出来ています。それよりずっと前、女性の活躍が色々言われ始めた頃、国際婦人年とか言われ出した後ぐらいに、このあけぼのフェスティバルは始まりました。京都らしい伝統のあるフェスティバルだと思っております。
私が役所に入ったのは1980年で、国際婦人の10年という年の真ん中の年で、中央省庁の中でも女性のキャリアを採用しようという機運が高まっておりました。その中で、中央省庁で最後に郵政省と運輸省に一人ずつ女性を採って、これで無事中央省庁全てに女性が採用されることになりました。役所に入りまして、女性の先輩がいない中で、よその省庁の先輩が心配してお昼ごはんを食べる時間をとってくれたり色々と気にかけて下さいました。ただ「将来はどこまで採用してくれるのか・・・」といった不安はずっとありました。男性の場合はキャリアパスがあります。女性の場合も10年先ぐらいは見込せるのですが、その後は分からないといわれるような、そんな時代でした。他にも、例えば社宅を貸してくれというと、男性が借りに行くのが普通で、女性が借りに行くと「おたくは旦那が働いているからダメよ」とか、結構一つ一つそういうようなところもあったかと思います 。公務員に関しては労働基準法の適用はないのですけれども、人事規則があった為、係長等が22時前には帰らせようとするのですが、役所は昼間に国会があるので、夜に会議が行われることが多く、他の男性が働いているのだからと頑張って22時以降も働いている事もよくありました。今となってはそんなに頑張ってどうするのだという気もしますが。少し無理をしてでも職場の飲み会にも付き合いました。当時は必要だと感じたのですが。今となれば苦労話なのか・・・。いい思い出だと思います。(笑)

山田知事 昔は付き合いで苦労されていた様ですが、今は若い連中を引っ張っていくよう な感じですけど・・・。そういうこともあったのですね。
それでは次は、杉本さん宜しくお願い致します。

杉本さん 本職は重要文化財の杉本家住宅と庭園、2つの重要文化財の維持、継承をしています。これを公益財団法人で管理しています。家族が主となってその組織を運営しています。祖父までの8代が呉服商をやっていたのですが、その伝統を受け継いでいくというのが本職です。その一方で料理研究家として仕事をしています。町屋という建物の中でも杉本家住宅はかなり古く、明治3年に建てられました。明治時代に建てられた建物にも江戸時代の封建的な家長制度が建物の間取りにも組み込まれています。日本は戦後ものすごい経済発展を遂げましたが、町屋には昔のままの雰囲気が残っています。
母と祖母が家を切り盛りしていたのですが、女性の過ごし方というのは三度の食事を用意するというのが普通でした。私の母はそのような生活に文句を言う事はなかったのですが、それを見て育った私は女性の働き方というか、自分のエネルギーを使っていくのに、三度の食事を作っていくだけでは、何か違うなと感じました。私はそれを自分の仕事として、食で社会に貢献したいなと思って料理研究家になりました。最初はフランス料理が好きでそちらの勉強をしましたが、これは父の影響です。父は家業を継がずにフランス文化の研究をしておりましたので、家の中にはフランスに関する本や写真がたくさんありました。そういったものに触れる中でフランス料理に興味を持つようになり、フランス料理の勉強をしたいと思うようになりました。京都の食文化というのはとても質素倹約だったし、私の家庭では外食を楽しむという事があまりありませんでした。1円でも使わない様にやりくりをして食事をするというのが普通でしたが、フランス料理というのはもっと華やかで・・・。フランス料理の研究家になりたかったのですが、重要文化財を守るというのが本職ですので、お客様からの要望も和食が多くなります。ですので、自然と和食の勉強をする様になって行きました
杉本家には江戸時代のご先祖様によって書かれた、1年間の食事の記録が今でも残っております。フェイスブックもない世の中だったのに、そのようなものが残っているのはすごい事ですね。それが残っている事でお客様にも京のおばんざいを紹介しやすいです。

山田知事 このたび和食が世界無形文化財に登録されました。関わった人間として非常に嬉しい事です。株式会社菊の井の村田吉弘さんが世界遺産登録への提案を文科省に持って行った所、食は文化財ではないと跳ね除けられたそうです。それを聞いた途端、「食も文化なのに何という事を言うのだ」とカチンときまして、文化財登録への闘争心がメラメラ湧きました。その当時韓国も宮廷料理で登録しようと相当お金をかけて頑張っていたので、「隣の韓国に負けるわけにはいかない、これはまずい」と思い奔走しました。それから一生懸命日本食について勉強したのですが、和食の素晴らしさを感じました。和食にはやはり季節感がすごく表れています。それを見たとたんに春夏秋冬が分ります。旨みとか出汁とか、有機食材によるハーモニーを作りだす。この食文化の奥の深さは勉強すればする程感じます。

杉本さんは食育について頑張っていらっしゃいますが、それについて話を聞かせて頂けますか。

杉本さん 今回ユネスコの世界文化遺産の登録の勧告を受けました。この事は、食事は食べて栄養を取り命を繋ぐだけの手段ではなく、日本人として基本的な事というか大事な事であり、食文化は誇りであるという事を見直す良い機会になると思います。この登録をお祭り騒ぎで終わるのではなく、食文化を見直し、その素晴らしさを再認識しなければないと思います。
今回この登録に奔走していたのは、菊の井の村田さん等、皆さん男性です。そして登録されたのは、料亭で作られるような美しい和食。それは料理人により作られた本当に素晴らしいものです。しかし私が残していきたいのは、家庭で食べられているおばんざい、京都の家庭の食文化です。本当に伝えたいのは日本人の味覚であり、こういう点は忘れてはいけないと思います。おばんざいという家庭料理は、「美味しくなりすぎない事」、「洒落て、贅沢になり過ぎない事」というのがベースになっていると思います。テレビでは京のおばんざいという事で紹介されていますが、もちろん京のおばんざいの知名度を上げるのは良いのですが、「家庭ではそんな事はしないのになあ」という事が多く、料理屋臭くなっています。家庭のおばんざいは1円でも使わない様に作り、料理屋さんでは1円でも高く売れる料理を作るという点で違うと思います。私は家庭料理のおばんざいを広げていきたいと思っています。

山田知事  男女共同参画社会の実現に、どうやって持っていこうとするのか教えて頂ければと思います。

佐村さん ちょうど京都府で知事が当選されたときに、公約の中に男女共同参画を作るということを宣言されました。最初に議長をお願いしたのが上杉孝實先生です。当時の男女共同参画の計画はあまりにも普通のことばかり書かれていて、「こんなのすぐ出来るんじゃないの」と思っていたのですが、決してそうではなく、検討を始めてから出来上がるまで3年かかりました。京都は最後に京都男女参画条例ができました。今回、男女共同参画の局長になったのですが、これまでに5人いらっしゃって、皆さん地方で副知事の経験があります。私は民主党政権で局長になりましたが、その頃というのは、野田元総理が女性の活躍の推進をしている頃でした。
少子高齢化で働く人が減るという事は生産人口が減るという事です。世界で発言力を持つ為には経済的にも力を持っていないといけませんが、生産人口が減ると、GDPが縮小し経済成長が出来なくなります。その為、生産人口を上げる事は非常に重要で、少子高齢化の問題には一生懸命取り組まなければなりません。現在その取り組みの一例として、婚活が盛んに行われていますが、地域の婚活が盛んに行われて結婚をしても、子供が生まれて育つのに15年~20年かかる為、特効薬にはなりません。一方、女性の社会進出や退職年齢の引き上げは、労働力人口を上げるという点においては特効薬になります。女性の働くチャンスを増やすということは大切です。
阿部政権に代わり、ものすごく女性の参画というのが世界から注目されています。なぜなら日本は他国より遅れているからです。ですので、総理自らがいろんな場で、「女性の活躍が大事」ということを発信しています。日本がもう一度元気な日本に戻るために、女性の参画が大事な事は、国連などの世界の場で言われており、注目されています。
世界経済フォーラムが女性の活躍の指標を出しているのですが、日本は世界で105番目だそうです。日本の経済力を考えたら、10位から20位ぐらいだと思うのですが・・・。この指標をみると、日本は経済分野と政治分野共に女性の活躍状況がすごく遅れているというのが分ります。例えば政治分野では、この50年間トップや国会議員に何人の女性が出たかとか、閣僚に女性が何人いるかが基準となります。日本ではまだまだ女性の活躍が進んでいいない事が分ります。一生懸命女性の活躍を望んでいますが、管理職になったら女性がいないとか、働き続けるにも第一子が生まれたら両立ができないといった状況があり、6割の方が仕事を辞めている状況です。子供がいるから辞めるというのは個人の意思だし、その選択は自由です。ただ次に働こうと思っても非正規の働き方しか出来ないといった現実もあります。正規と非正規だと生涯年収は大きく違ってきます。子供には教育費がかかります。ですので、女性も出来るだけ仕事を続けて、お金をもらい続けられる様にするのが一番だし、そうすれば余裕も出来てくると思います。今、知事が経済界に対して様々な要請をして、待機児童を無くす為の活動をしています。
女性も男性も働く事に時間を費やし過ぎるのではなく、ワーク・ライフ・バランスと言われているように、仕事の中身を濃くしていきながら、働く時間の短縮をして、人生をエンジョイ出来る様な社会が理想的だと思います。
男女共同参画では女性の社会進出も推進しますが、最近は男性向けの取り組みも行われます。男性は、退職後何をしたらいいか分からない、地域とのつながりも何もない。自分で家庭のことは何にもできない方が多いし、何か問題があるとなかなか立ち直れない方が多いです。地域とのつながりもの無いので、男性の参画も促そうという活動も多く、現在は男性の向けの支援も増えてきています。

山田知事 まだまだお伺いしたい事がたくさんございますが、お時間になりましたので、最後に皆さんへのメッセージをお願いいたします。

杉本さん 建物と食から京都の大切にしたいという文化を継承していますが、本日ここに御集りの皆様と一緒に京都をより良くする活動をしていきたいと思いますので、頑張ってまいりましょう。

佐村さん 一つは男女共同参画というのにぜひご関心を持って頂きたいという事。もう一つは、丹精込めて育てた旦那を出世させたいと思うかもしれませんが、その気持ちを少し緩めて、男性を楽にしてあげて欲しいという事。色々な会で、「パートナーに出世を望むか」という質問をすると、20代の男女を比べると、「男性が女性に出世を望む」という意見も多いのですが、30歳以上は全ての年代において「女性が男性に出世を望む」という意見が多く、60歳以上は10%以上開きます。女性は自分で自立して、パートナーに期待し過ぎないようにして下さい。家庭を抱えておられて「働く女性ばかりじゃないよ」と思われるかもしれませんが、現実的には共働きをしている家庭が多くいらっしゃいます。恐らく孫の世代には、男女ともに働く人も増えてくると思います。孫の世代のことを考えて応援できる社会を作る為に、女性の皆様にもご支援いただければと思います。

山田知事 今ほんとに社会が変わろうとしています。気が付いていないのですが、変化があると思います。
これまで男女共同参画は女性の活躍が課題でしたけれど、今年愕然としたことがあります。京都府では、子どもたちの社会に参加する意識を育み、議会や行政に対する理解、関心を深めるために、「京都府子ども議会」を開催しております。今年の子供議会において子供議員を募集し、60名集めたところ、60名のうち女の子が48名で男が12名。また、これから世界に羽ばたく青年を育成する為に、高校生に短期留学の参加の募集を呼びかけたところ、全29名のうち男性は3名でした。男女共同参画は今までとはまったく違った側面を迎えていると思います。25回目のあけぼのフェスティバルですが、今まで土台やネットワークを作ってきて、男女共同参画の大きな推進力になってきました。しかし本当の力を試されるのはこれからの10年だと思います。これからの10年でこの今までの経験やネットワークを生かし、みんなが本当に自分の力を発揮できる社会を作る大きな原動力に、あけぼのはなれると思います。この25回を機に力強い京都の未来に向かっていくことを心から願いまして、鼎談を終わらせていただきます。

ワークショップ

長濱 英子さんと一緒にワークショップを回りました。

心と身体にゆとりが生まれる体操~話題のフェルデンクライス.メソッドを体験~
団体名
フェルデンクライス 京都
会 場
東1F第1活動室
内 容
身体をゆったり動かす、心と身体に優しい体操。気になる肩や腰、背中、忙しい気持ちをほっこりさせる。

先輩女性と話してみよう!女子シャインチアーズと考えるワーク・ライフ・バランス
団体名

女子シャインチアーズ
会 場
東2F 第一セミナー室
内 容
働く女性の悩みや疑問を『ミニ昼カフェ』『チアサミット』で仲間や先輩女性と話してみよう。あなたの悩みは私の悩みかも。ワークショップの中で、テーマごとに話し合って、解決のヒントを得る。働く女性を応援するネットワーク「女子シャインチアーズ」のこれまでの活動の展示。

出会い、発見、向き合う人権
団体名
部落解放同盟女政府連合会女性部
会 場
東2F 第二セミナー室
内 容
部落差別をはじめ女性、障害者、在日外国人差別など!あらゆる差別の撤廃に向けて取り組んできた活動や部落の文化の紹介。
・パネル展示(狭山事件)
・しめ縄づくり
・ビーズアクセサリー
・トールペイント
・ラベンダースプレー
・貝殻ストラップ

ご近所さんと楽しむコーヒータイム
会 場
東2F第三セミナー室
団体名
社会福祉法人 白百合会 リブラン中京
内 容
猪田彰郎さんから美味しいコーヒーの入れ方を学び、コーヒーによるコミュニケーションの時間を増やしましょう。

パープルリボンでつなぐNO!DV
団体名
長岡京ボランティアチーム楽希生
会 場
東2F中会議室
内 容
・パープルリボンがデザインされたパッチワークキルトの展示
・パープルリボンバッジとカード配布による啓発
・DV被害者支援基金への協力の為のパープルリボンブランドの手作り品の販売

男子厨房に入るNo.2
団体名
男性介護者を支援する会
会 場
東2F調理実習室
内 容
家族介護者に携わる男性が増加しています。仕事と突然関わる事になった。慣れない家事、介護のバランスに戸惑っている男性達が、簡単な手料理を体験し、食べながら、お互いに支え合う社会、家族について意見交換をしましょう。

親子理科実験教室 おもしろい魚の世界 ~魚を見つめてわかる事~
団体名
KYOのあけぼのフェスティバル実行委員会/協力京都府立海洋高等学校
会 場
東2F研修室
内 容
体験学習(魚の解剖)を行います。おもしろい魚の世界を親子で体験してみましょう。

自然エネルギー100%のデンマークに学ぶ
団体名
海外研修KYOのあけぼの会、京都商工会議所女性会
会 場
東2F視聴覚研修室
内 容
映像によるデンマークの紹介。ロラン島の風力発電と再生エネルギー施設、女性が経営する100%オーガニック農場の視察や女性解放の歴史。
公演「男女ともに健康になる社会をめざして~生活習慣、健康管理の男女比較から」
講師 同志社大学保険センター 中澤敦子医師

安心して過ごせる避難所体験
団体名
男女共同参画の視点で防災プラットフォーム
会 場
東2Fワーキングルーム&交流コーナー
内 容
防災グッズの重さって、避難所1区画の広さってどれくらいなの?
ダンボールパーテーションの実際、避難所運営に女性の視点ってどんな事?
幼児から高齢者まで、女性にも男性にも優しい避難所を体験してみましょう。

京都ライフ・ワーク・バランスウィーク ポスターデザイン展
団体名
京都ワーク・ライフ・バランスセンター
会 場
東2Fミーティングルーム
内 容
みんなが思うワーク・ライフ・バランスを作品にして頂きました。

消費者トラブル啓発展示
団体名
京都府消費生活安全センター
会 場
西2Fテルサホテルロビー

安藤美姫へのバッシング、どう思う?-婚外子差別/マタニティ・ハラスメント/スポーツとジェンダー
団体名
京都大学男女共同参画を考える会Ⅵ
場 所
東3FスポーツA会議室
内 容
フィギュアスケートの安東美姫選手が妊娠・出産していたことが明らかになりマスコミからバッシングをうけました。この事例を出発点に婚外子にたいする差別やマタニティ・ハラスメントなど、日本のジェンダーに関する背景事情を社会学的に読み解きます。また、スポーツとジェンダーに関する背景事情を社会学的に読み解きます。またスポーツとジェンダーの関係についても改めて考え直します。

私らしく出来ることから一歩ずつ
団体名
女性ネットワーク「門」
会 場
東3FスポーツB会議室
内 容
「ワーク」とは何か?食べていくため?生きていくため?山本美香さんの仕事(生き方、意思)を繋ぐ在         り方を一緒に考えてみましょう。
「ワーク」住み開き~人と人が繋がる魅力~スローライフ=夫源病
「バランス」多様な価値観を取り入れた私らしい一歩

声を出してリフレッシュ!朗読で脳を活性ワークショップ
団体名
おはなしの栞
会 場
東3FスポーツC会議室
内 容
・朗読・発生・滑舌のワークショップ
・対面ワークショップ
・グループワーク

アートセラピー&カードワーク色彩心理~心も顔も元気になる脳活メソッド~
団体名
Yua住環境デザイン
会 場
東3FスポーツC会議室
内 容
子供から大人まで、心も顔も元気になる脳活メソッドの紹介、色を使い、指先や道具を用いて、心も脳も        癒され脳も活性化されます。体験ではアンチエイジングに役立つパステルアートと、色を使って深層心理にアプローチするカードワークを行います。

大学連携による学生企画~大学生による男女共同参画ワールドカフェ~
団体名
KYOあけぼのフェスティバル実行委員会
(参加大学:京都大学、同志社大学、立命館大学、京都文教大学)
会 場
東3FスポーツD会議室
内 容
大学間の連帯により学生自らが企画したワークショップ、ワールドカフェ方式で男女共同参画について理   解を深めます。

記事・写真:平成25年度 京都式ソーシャルビジネスリーダー育成事業 研修生 杉本智子

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